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山田吉彦

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海洋問題研究者/東海大学海洋学部海洋理工学科教授

報告

解説海警2901は、1万トン級、世界最大の警備船(巡視船)であり、航続距離も長く、さらに2機のヘリコプターを搭載している。76ミリ速射砲1基と30ミリ機関砲2基、14.5ミリ機関銃2基が搭載され、軍艦に匹敵する装備である。 海警2901は、日本領尖閣諸島及び台湾領金門島周辺海域で展開する海警船(中国海警局所属の警備船)の後方支援をする傍ら、時折、日本の自衛隊や米軍を挑発する行動を見せている。 今年の6月、中国海警局は、海警船の配備を大きく変更した。尖閣諸島に出没する海警船も全て重武装しているのである。その流れの中で、海警2901が東シナ海で展開し、日本の海上保安庁の動きを牽制しているようだ。 政府はこのように日本が脅かされている状況を即時に国民に知らせる必要がある。海警2901の動きは、海上保安庁の対応の限界を越えている可能性があることも視野に入れるべきだろう。

コメンテータープロフィール

山田吉彦

海洋問題研究者/東海大学海洋学部海洋理工学科教授

東海大学海洋学部教授。1962年千葉県出身。学習院大学経済学部卒後、金融機関を経て日本船舶振興会(現日本財団)に勤務。勤務の傍ら埼玉大学大学院博士課程修了。博士(経済学)。2009年東海大学教授。海難審判庁業務改善委員会委員、国土交通省海洋政策懇談会委員、東京都専門委員などを歴任。八重山自然大使。海洋コメンテータとして各種メディアで海洋問題を解説。著書、日本の国境(新潮新書)ほか多数。

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