Yahoo!ニュース

山田吉彦

山田吉彦認証済み

認証済み

海洋問題研究者/東海大学海洋学部海洋理工学科教授

報告

解説ウニは、すし店において高級食材である。高級すし店の一貫に乗るウニの重さは、約20グラム。一枚(約400グラム)で700万円であれば、原価で一貫35万円ほどになる。初セリにおいて、高値で取引されたマグロの話題を超える。 近年、ウニの価格が高騰している。高くても手に入れば良いというほど、質のよいウニは品薄だ。一つの原因は、日本沿岸における海水温の上昇と海流が強いことにより、エサとなる昆布などの海藻類が減少する「磯焼け」が、日本各地で起きていることによる。エサの少ないウニは、身が少なく商品に適さない。また、2021年に北海道東部沿岸で赤潮が発生し、道東地域のエゾバフンウニが、90%死滅する壊滅的な打撃を受けたことによる。ウニは、商品に適するまで成長するのに約4年必要なため、まだ回復できないのだ。 これだけ、ウニのセリが注目されるようになったのは、日本の上質な水産物を求める者が多い現れでもある。

コメンテータープロフィール

山田吉彦

海洋問題研究者/東海大学海洋学部海洋理工学科教授

東海大学海洋学部教授。1962年千葉県出身。学習院大学経済学部卒後、金融機関を経て日本船舶振興会(現日本財団)に勤務。勤務の傍ら埼玉大学大学院博士課程修了。博士(経済学)。2009年東海大学教授。海難審判庁業務改善委員会委員、国土交通省海洋政策懇談会委員、東京都専門委員などを歴任。八重山自然大使。海洋コメンテータとして各種メディアで海洋問題を解説。著書、日本の国境(新潮新書)ほか多数。

山田吉彦の最近のコメント