Yahoo!ニュース

山田吉彦

山田吉彦認証済み

認証済み

海洋問題研究者/東海大学海洋学部海洋理工学科教授

報告

見解穏やかな海に魔物が潜んでいた。 一昨年から日本各地でイワシの豊漁が伝えられている。サンマやサバが不漁のため、多くの漁船がイワシ漁に出ている。 イワシの群の密度が例年以上に濃かったようだ。ひとつの群のイワシの量が多いのである。また、ブリなどの大型魚に追われ、密集していた可能性もある。 さらに、昨年来、茨城県沖の黒潮の流れが早く、強い。網が海流の影響を強く受けたことも考えられる。 今まで経験の少ない一網あたりの大漁と、強い海流。網から魚を回収するときに、強い負荷がかかり、船がバランスを崩してしまったことなどが想像される。 風が強く、波が高ければ、網の引き揚げや魚の回収に慎重になる。穏やかな海なので、引き揚げる時まで、強い負荷がかかっていることに、気づくのが遅れることもあるだろう。 僚船は可能な限りの救急措置をしている。不明者の一刻も早い救助を望む。亡くなられた方のご冥福を祈る。

コメンテータープロフィール

山田吉彦

海洋問題研究者/東海大学海洋学部海洋理工学科教授

東海大学海洋学部教授。1962年千葉県出身。学習院大学経済学部卒後、金融機関を経て日本船舶振興会(現日本財団)に勤務。勤務の傍ら埼玉大学大学院博士課程修了。博士(経済学)。2009年東海大学教授。海難審判庁業務改善委員会委員、国土交通省海洋政策懇談会委員、東京都専門委員などを歴任。八重山自然大使。海洋コメンテータとして各種メディアで海洋問題を解説。著書、日本の国境(新潮新書)ほか多数。

山田吉彦の最近のコメント