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渡辺亮司

渡辺亮司

認証済み

米州住友商事ワシントン事務所 調査部長

報告

見解ソトマイヨール最高裁判事は反対意見で「公権力のあらゆる行使で、大統領は法の上に立つ王様になった」と記述。ただし、判決でトランプ前大統領に認めた免責特権は公務に限定し、私的行為は対象外。今後、下級審が判断するその区分けが注目。 2020年大統領選結果を覆そうとした罪でトランプ氏が起訴されていた刑事裁判は、11月大統領選後まで判決が下されない可能性大。同裁判はトランプ氏再選に最も影響が及ぶ可能性があった。今後、民主党支持者を中心に「正義の遅れは正義の否定と同じ」との批判が広がるであろう。 責任追及は現職大統領の場合、連邦議会の弾劾・罷免、再選を狙う大統領は選挙で国民が選ばないといった政治面でも対処可能。だが、二極化が進む今日、責任を逃れる可能性もある。今回の判決で、大統領が起訴を恐れて思い通りに政権運用できなくなる心配は減る一方、免責特権を乱用する大統領を国民が抑えられないリスクも生じる。

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  • 前嶋和弘

    上智大学総合グローバル学部教授

    解説最高裁の今期の目玉判決は「大統領が公務なら何をしてもいい」という仰天レベルの免責を容認する判決。司法…続きを読む

  • 西山隆行

    成蹊大学法学部政治学科教授

    見解大統領が憲法上の権限の範囲内で行った行為については刑事訴追からの「絶対的免責」を、その他の公式行為に…続きを読む

コメンテータープロフィール

渡辺亮司

米州住友商事ワシントン事務所 調査部長

慶応義塾大学(総合政策学部)卒業。ハーバード大学ケネディ行政大学院(行政学修士)修了。同大学院卒業時にLucius N. Littauerフェロー賞受賞。松下電器産業(現パナソニック)CIS中近東アフリカ本部、日本貿易振興機構(JETRO)海外調査部、政治リスク調査会社ユーラシア・グループを経て、2013年より米州住友商事会社。2020年より同社ワシントン事務所調査部長。著書に『米国通商政策リスクと対米投資・貿易』(共著、文眞堂)。コメントは個人の見解であり、所属組織を代表するものではありません。

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