見解トランプ氏が指名してきた政権幹部の中でも、最も物議を醸しだしているのがゲーツ氏の指名。同氏は下院共和党議員の間で強力にトランプ氏を支えてきた議員の1人。ワシントンでもゲーツ氏は司法長官候補として噂されていなかったため、サプライズ人事。下院倫理委員会が現在も捜査中である同氏が、米国の法執行機関トップに指名され、当地のリベラル系メディアは一斉に批判。トランプ氏は政敵への報復を示唆してきたため、司法長官は閣僚の中でも特に注目。 上院は閣僚など政権幹部の人事について「助言と同意」の権限を有する。大統領が指名した人物だが、ゲーツ氏が司法長官として適任であるか上院共和党がどこまで慎重に審査するか注目。承認しない共和党上院議員をトランプ氏は攻撃する可能性もある。休会任命ではない場合、上院本会議の指名承認で各共和党上院議員はトランプ氏を強力に支持する「MAGA」であるか踏み絵を踏まされるかもしれない。
コメンテータープロフィール
慶応義塾大学(総合政策学部)卒業。ハーバード大学ケネディ行政大学院(行政学修士)修了。同大学院卒業時にLucius N. Littauerフェロー賞受賞。松下電器産業(現パナソニック)CIS中近東アフリカ本部、日本貿易振興機構(JETRO)海外調査部、政治リスク調査会社ユーラシア・グループを経て、2013年より米州住友商事会社。2020年より同社ワシントン事務所調査部長。著書に『米国通商政策リスクと対米投資・貿易』(共著、文眞堂)。コメントは個人の見解であり、所属組織を代表するものではありません。
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