補足特別養子縁組とは養子となる子どもの福祉のため、子どもと生みの親との法的な親子関係を解消し、養子と養親を実の親子と同様の関係とする制度です。「菊田医師事件」をきっかけに、1987年に制定されました。この事件は宮城県石巻市で開業医をしていた産婦人科の菊田昇医師が、産んだ子を育てられないという女性に人工妊娠中絶手術を思いとどまらせる一方、子どもを育てたいと望む夫婦に無報酬で新生児をあっせん。その際に、養親を生みの親とする偽(にせ)の出生証明書を出していたのです。菊田医師は刑事告発され、出生証明書偽造の罪で罰金20万円の略式命令、6カ月の医業停止処分、所属関係学会除名などの制裁を受けました。背景には子どもの命を助けたいという強い願いがあり、出産に強い困難を伴う生みの母の戸籍に出生記録が残らないようにするとともに、戸籍上は実親子同様の記載がされることを優先しようとしたのです。
コメンテータープロフィール
1971年富山市生まれ、同市在住。元北國・富山新聞記者。1993年から2000年までスポーツ、2001年以降は教育・研究・医療などを担当した。2012年に退社しフリーランスとなる。雑誌・書籍・Webメディアで執筆。ニュースサイトは「東洋経済オンライン」、医療者向けの「m3.com」、動物愛護の「sippo」、「AERA dot.」など。広報誌「里親だより」(全国里親会発行)の編集にも携わる。富山を拠点に各地へ出かけ、気になるテーマ・人物を取材している。近年、興味を持って取り組んでいるテーマは児童福祉、性教育、医療・介護、動物愛護など。魅力的な人・場所・出来事との出会いを記事にしていきたい。
若林朋子の最近の記事
コメントランキング
- 1
【解説】「物価高だから全員に支給して」住民税非課税世帯だけ3万円に不満の声 電気・ガス料金補助は再開へ…「103万円の壁」協議の焦点は引き揚げ幅と財源
FNNプライムオンライン - 2
今井絵理子たたきは「職業にたいする偏見やジェンダーバイアスではないのか」 共産議員が異論
J-CASTニュース - 3
「協力する奴いないだろ」ヒグマ猟友会が駆除拒否報道で広がる同情の声「あんな理不尽な判決出されたら…」
女性自身 - 4
【速報】「絶対にあってはならないことが起きてしまい、ご遺族に大変申し訳なく思う」 給食中に1歳園児が喉に詰まらせて死亡 認可保育園が会見で陳謝 離乳食の"焼肉風の炒め"など提供 北海道札幌市
北海道ニュースUHB - 5
異様な兵庫県知事選の実態…斎藤元彦氏の疑惑「パワハラは捏造」の臆測が急拡散【話題の現場 突撃ルポ】
日刊ゲンダイDIGITAL