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鶴岡路人

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慶應義塾大学総合政策学部准教授

報告

解説この世論調査に限らず、ロシアの世論を理解するうえでは、プーチン大統領への見方と、国防省を含むロシア政府全体への見方が異なる場合が多いことに注意する必要がある。「悪いのは大統領ではなく、腐敗にまみれた国防省だ」という見方が少なくないからだ。 そのうえで、国民の不安や不満をおさえるために、大都市の国民を戦争の直接の影響から遠ざけておくことが、プーチン政権の基本的な方針だった。「自分とは関係なく、どこかで行われているもの」と思わせておくことが、戦争反対を抑えるために重要だったのである。ロシア領が攻撃されることで、戦争が「他人事」ではなく、「自分事」と感じる人が増えるとすれば、政権にとっては大きな懸念になる。

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コメンテータープロフィール

鶴岡路人

慶應義塾大学総合政策学部准教授

専門は国際安全保障、現代欧州政治。慶應義塾大学法学部卒。同大学大学院、米ジョージタウン大学大学院で学び、英ロンドン大学キングス・カレッジ戦争研究学部で博士号(PhD)取得。在ベルギー日本大使館専門調査員(NATO担当)を経て、2009年から2017年まで防衛省防衛研究所教官、主任研究官。その間、防衛省防衛政策局国際政策課部員、英王立防衛安全保障研究所(RUSI)訪問研究員等を務める。2017年から現職。著書に『欧州戦争としてのウクライナ侵攻』(新潮選書、2023年)、『EU離脱』(ちくま新書、2020年)等。また、2023年から2024年までオーストラリア国立大学(ANU)訪問研究員。

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