解説残念ながら、ここまで世間の状況認識が多極化している中で、「客観的事実」と称して出てくる分析や解説が、「別の極」にいる人たちに受け入れられる可能性は高くありません。それどころか、一見人権や自由や民主主義や解放を支持するふりをして、「別の極」のストーリーの片棒を担ぐ分析や解説を持ってきたとみなされて、現場の人間関係が壊滅的に悪くなることもあり得ます。また、「客観的事実」を通り越して、「そもそも論」になって責任を追及するという論法も当然あるので、やっぱりこの話題で一生懸命やることには覚悟がいるでしょう。当該の発表をした「人権団体」が、「政治的に偏向している」とたたかれるのも承知の上でしょう。
コメンテータープロフィール
新潟県出身。早稲田大学教育学部 卒（1998年）、上智大学で博士号（地域研究）取得（2011年）。著書に『現代シリアの部族と政治・社会 : ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の部族の政治・社会的役割分析』三元社、『「イスラーム国」がわかる45のキーワード』明石書店、『「テロとの戦い」との闘い あるいはイスラーム過激派の変貌』東京外国語大学出版会、『シリア紛争と民兵』晃洋書房など。
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