補足わが国での認知症治療薬は21世紀に入って以降、複数の薬剤が承認•実用化されています。ただし、それらはいずれも「進行を緩やかにする」とされており、根治するものではなく、これは今回のレカネマブも同じです(もちろん、新しい薬ですから従来の薬剤とは違った効果も見込まれています)。 こうしたことから、介護•医療分野の専門家の一部には「認知症の治療(の薬剤やその開発)」に懐疑的な見方をしているばかりか、「認知症の予防を考えることは『優生思想』に近く『差別』にあたるのでは」とタブー視する考え方をもつ者もいます。 しかし、この記事の美香さんのように「今後も治療を続け、できるだけ自分の力で生活したい」と、治療薬に期待を寄せ、生きる糧となっている人もたくさんいるはずです。 この意味で、認知症の予防策や治療薬の開発は急がれなければならないでしょう。医学•創薬の研究にそれを期待したいと思います。
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コメンテータープロフィール
1964年・島根県生まれ。1986年から医療ソーシャルワーカーやケアマネジャーの実務を経験し、2005年から東洋大学で介護福祉士などの福祉専門職養成と高齢者福祉・介護保険制度・ケアマネジメントの研究を行う。社会福祉士・介護支援専門員。
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