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井上智介

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精神科医/産業医

報告

見解厚労省は、2060年の認知症の患者数が、2022年時点の443万人から200万人以上も増え、65歳以上の5,6人に1人は認知症になると予測しています。さらに、軽度認知障害(MCI)の人も含めると、65歳以上の3人に1人が、認知機能に何かしらの問題のある未来予想図です。 ただ、こうならないために、レカネマブ等の新しい薬の開発や医学の進歩に期待される一方で、認知症の患者さんと切っても切れないのは、やはり介護の側面です。もちろん『薬の治療効果がある』というのは『介護負担が減る』と近しい結果ですが、すぐに劇的な変化は難しいでしょう。 しかし最近は、介護報酬の改定で訪問看護の基本報酬が下げられたり、スタッフの確保困難などで、経営から撤退する訪問介護事業所もよく耳にするようになりました。医療面だけではなく、介護業界の持続可能性を確保するために、国としての対策も急務でしょう。

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  • 藤野智哉

    精神科医

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  • 高野龍昭

    東洋大学 福祉社会デザイン学部 教授/介護支援専門員

    補足わが国での認知症治療薬は21世紀に入って以降、複数の薬剤が承認•実用化されています。ただし、それらは…続きを読む

コメンテータープロフィール

兵庫県出身。島根大学を卒業後、大阪を中心に精神科医・産業医として活動している。産業医としては毎月30社以上を訪問し、一般的な労働の安全衛生の指導に加えて、社内の人間関係のトラブルやハラスメントなどで苦しむ従業員にカウンセリング要素を取り入れた対話を重視した精神的なケアを行う。精神科医としてはうつ病、発達障害、適応障害などの疾患の治療だけではなく、自殺に至る心理、災害や家庭、犯罪などのトラウマケアにも力をいれている。さらに、ブログやツイッター、講演会などでこれらを分かりやすく「ラフな人生をめざすこと」を発信している。

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