解説この薬はアルツハイマーの原因と言われているタンパク質に働きかけることができなかった今までの薬とは機序が異なり、その点では期待がされています。 ただ臨床試験で記憶力や判断力の悪化が抑えられる、とされたものが実際の日常生活でどれくらい進行抑制の実感として感じられるか、そしてそれが高額な薬価と釣り合うのかという点は今後きちんと評価されていく必要があります。一方で認知症の進行が遅れる人が増えれば健康寿命が伸びる可能性があり、そういった面での期待はあります。 なお、「約1000万人いる認知症と軽度認知障害の患者のうち、投与を始めているのは7月始め時点で約2700人。0.03%にしか満たないのです。」との記載がありますがそもそもこの薬はアルツハイマー病による軽度認知障害や軽度の認知症が投与対象であり他の認知症はターゲットになっておらず、それらを含めて割合を出したら低くて当然な点は注意が必要です。
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コメンテータープロフィール
1991年7月8日生まれ。 秋田大学医学部卒業。 精神鑑定などの司法精神医学分野にも興味を持ち、現在は精神科病院勤務の傍ら医療刑務所の医師としても務める。
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