見解法的な規定を突き詰めて言えば、子(成人以降も含む)は、親の介護や扶養、葬送などの絶対的な義務を負っているわけではありません。誤解を承知で言えば、親を棄てる自由もあります。 そうしたことを踏まえ、さまざまな事情から子などが親の葬送を行えない(あるいは行わない)ケースに関しては、最終的には自治体が責任を負うこととなっているのが現行のルールです。 しかし、家族の小規模化や単身化、家族や地域社会の凝集性の希薄化などの拡大を背景に、いわゆる無縁遺体が増加し、自治体の負担は相当程度に膨らんでいます。 多くの自治体は人材(職員数)も財政も厳しい局面に立たされており、これ以上の負担は難しいのが実情でしょう。それは政府も同じです。 このままでは自治体•政府ともに対応が難しくなるのは自明のことです。増え続ける無縁遺体の対し、誰がどのように対応すべきなのか、現行のルールの見直しを含めた議論が必要です。
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コメンテータープロフィール
1964年・島根県生まれ。1986年から医療ソーシャルワーカーやケアマネジャーの実務を経験し、2005年から東洋大学で介護福祉士などの福祉専門職養成と高齢者福祉・介護保険制度・ケアマネジメントの研究を行う。社会福祉士・介護支援専門員。
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