補足DNA鑑定によってシンワルの死亡が確認されたとの報道がネット上を走っている。もし、そうであるにしても、ハマスの抵抗運動は終わらないだろう。ハマスにとっては大きな打撃だが、すぐに次の指導者が現れるだろう。ナスラッラーの死にもかかわらず、ヒズボラのロケットがイスラエルに降り続けているように。ビンラーディンが死亡してもアルカーイダが存続したように。バグダーディが倒れても、ISが生きているように。ハマスは組織であると同時にパレスチナの解放を訴える思想であるので、その指導者を殺しても、組織を一時的に壊滅させても、消えることはない。マルクスが死んでもマルクス主義が残ったようにだ。 歴史は、シンワルを、どう評価するだろうか。パレスチナ人の多くは、イスラエルに打撃を与えた殉教者とみなすだろう。 敵の最高指導者の殺害は、イスラエルにとっては大きな成功だ。勝利を宣言して停戦を受け入れる好機なのだが・・・
コメンテータープロフィール
国際情勢をわかる言葉で、まず自分自身に語りたいと思っています。北九州で生まれ育ち、大阪とニューヨークで勉強し、クウェートでの滞在経験もあります。アメリカで中東を研究した日本人という三つの視点を大切にしています。映像メディアに深い不信感を抱きながらも、放送大学ではテレビで講義をするという矛盾した存在です。及ばないながらも努力を続け、その過程を読者の皆様と共有できればと希求しています。
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