補足中国軍用機に続くロシアによる領空侵犯。 無害通航権が認められる領海進入と異なり、領空侵犯は国土へ甚大な被害を与えるおそれがあるため、①領空侵犯しないよう警告し、②すでに領空侵犯が行われた場合には直ちに領空外に退去するよう命令し、③必要な場合には着陸命令を行い、従わない場合には強制着陸させ、また、必要に応じて④威嚇射撃を行い、⑤撃墜することもできるとするのが国際法です。 日本では、自衛隊84条が規定していますが、④⑤については正当防衛・緊急避難の場合のみ認められています。今回はフレアによる警告を行ったということですが、こうして対応の実例を積み上げていくことはとても重要です。いかなる場合にどういった対応をとることができるか、議論の上で詳細なマニュアルを整備する必要があります。
コメンテータープロフィール
弁護士。早稲田大学法学部卒、ロンドン大学クィーン・メアリー校修士課程修了。陸上自衛隊三等陸佐（予備自衛官）。日本安全保障戦略研究所研究員。防衛法学会、戦略法研究会所属。TOKYO MX「モーニングCROSS」、JFN 「Day by Day」などメディア出演多数。近著に『国民を守れない日本の法律』（扶桑社新書）。
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