教育基本法には特定政党を支持したり反対するための教育活動を禁止する政治的中立性の規定があります。選挙前に与党有力政治家を招くという意図はいかなるものなのか、学校側は会見し明確にすることが必要です。 校長やPTA有力者の独断であれば大問題です。 教育の政治的中立性は自民党が教職員組合弾圧のために厳しく運用してきた歴史がありますが、最近の自民党は自ら教育の政治的中立性を破り、保守政党としての弛みが見えます。 離党させられた田野瀬太道衆議院議員も家族の経営する学校で後援会パンフレットを配布するなど堂々と政治的中立性違反をしました。 そのような議員がいる与党の言うことを学校や生徒は聞くでしょうか? 自民党の全国会議員は厳しく襟をただし、教育の政治的中立性は遵守していかなければ、教育の統治などできるものではありません。 保守政党としてこのまま弛んでいけば支持層からも距離を置かれるでしょう。
同じ記事に対する他のコメンテーターコメント
コメンテータープロフィール
末冨 芳(すえとみ かおり)、専門は教育行政学、教育財政学。子どもの貧困対策は「すべての子ども・若者のウェルビーイング(幸せ)」がゴール、という理論的立場のもと、2014年より内閣府・子どもの貧困対策に有識者として参画。教育費問題を研究。家計教育費負担に依存しつづけ成熟期を通り過ぎた日本の教育政策を、格差・貧困の改善という視点から分析し共に改善するというアクティビスト型の研究活動も展開。多様な教育機会や教育のイノベーション、学校内居場所カフェも研究対象とする。主著に『教育費の政治経済学』(勁草書房)、『子どもの貧困対策と教育支援』(明石書店,編著)など。
関連リンク(外部サイト)
末冨芳の最近の記事
末冨芳の最近のコメント
こちらの記事は掲載が終了しています