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松谷創一郎

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見解檻の中のハムスターが、回し車で延々と走っている──あれを連想しました。 『24時間テレビ』のマラソンは、タレントをひたすら走らせる「残酷ショー」に視聴者が排泄のように涙を流す企画です。それは、炎天下で連戦を余儀なくされる甲子園の高校野球のようなリアリティーショーの性質を強く持っています。 もちろん、それ以外の機能があったこともたしかです。マラソンを通じて街頭のひとびとにチャリティーを広報することです。「タレントがあんなに頑張っているのだから、自分も募金しよう」と思うひとは、ある程度はいたと想像されます。 しかし今回は競技場をぐるぐる走るだけ。街頭広報の機能が失われたなかで「残酷ショー」の要素だけが前景化します。こうなると、やはりそこまでしてやる必要があるのか、と思います。 いちど決められたらやめられない──戦前の日本政府と同様にプランBをちゃんと準備していなかったのでしょうね。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 影山貴彦

    同志社女子大学教授/コラムニスト

    見解「競技場内での周回コース」での実施とのこと。苦肉の策でしょうが、「何がなんでも中止にはしたくない」と…続きを読む

コメンテータープロフィール

まつたにそういちろう/1974年生まれ、広島市出身。専門は文化社会学、社会情報学。映画、音楽、テレビ、ファッション、スポーツ、社会現象、ネットなど、文化やメディアについて執筆。著書に『ギャルと不思議ちゃん論:女の子たちの三十年戦争』(2012年)、『SMAPはなぜ解散したのか』(2017年)、共著に『ポスト〈カワイイ〉の文化社会学』(2017年)、『文化社会学の視座』(2008年)、『どこか〈問題化〉される若者たち』(2008年)など。現在、NHKラジオ第1『Nらじ』にレギュラー出演中。中央大学大学院文学研究科社会情報学専攻博士後期課程単位取得退学。 trickflesh@gmail.com

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