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千田有紀

千田有紀

認証済み

武蔵大学社会学部教授(社会学)

報告

見解本書は、『エコノミスト』の2020年のその年の本、2021年の『ザ・タイム』と『サンデータイムス』のベスト本に選ばれ10カ国以上の国で翻訳されている。 若い女性がトランスジェンダーとなり、胸の手術やホルモン治療に進んでいくなかで、健康被害やさまざまなな「デトランス」(トランスを辞める人)が出てきており、欧米でこうした医療スキャンダルは社会問題となってきている。 そのようななかで、この現象について一石を投じた本書は、性別違和で悩む当事者であるティーンエイジャーの助けになったかも知れず、出版中止は残念である。 そもそもタイトルやキャッチコピーへの批判が主であったが、内容を読んでいる人はほとんどいないのではないか。批判をするにしても、何が書いてあるのかをまず読んでからすることも可能で、少なくとも私は日本語の翻訳を読んで判断したかった。

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コメンテータープロフィール

千田有紀

武蔵大学社会学部教授(社会学)

1968年生まれ。東京大学文学部社会学科卒業。東京外国語大学外国語学部准教授、コロンビア大学の客員研究員などを経て、 武蔵大学社会学部教授。専門は現代社会学。家族、ジェンダー、セクシュアリティ、格差、サブカルチャーなど対象は多岐にわたる。著作は『日本型近代家族―どこから来てどこへ行くのか』、『女性学/男性学』、共著に『ジェンダー論をつかむ』など多数。

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