見解KADOKAWAの発表では「タイトルやキャッチコピーの内容により当事者を傷つけた」とあります。確かに「トランスジェンダーに"なった"」「SNSで"伝染"」など、露骨な煽動で大きな問題がありました。 しかし、そもそも原書は「間違った情報だらけ」「科学的根拠がない」等、すでに各所で指摘がされているものです。なぜ本書の企画が通ってしまったのか等、タイトルやキャッチコピーだけの問題に矮小化せず、経緯について検証が必要だと考えます。 本書の刊行中止に対して「言論弾圧」「表現の自由の侵害」「多様性に矛盾」といった主張もされていますが不適切でしょう。表現の自由や多様性は、差別をしても良い自由ではありません。その上でも、今回のケースは一つの表現に対して内容に大きな問題があるため、批判という表現が広がり、結果的にKADOKAWAがその問題性を認めて刊行を中止したという形になると思います。
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コメンテータープロフィール
愛知県名古屋市生まれ。政策や法制度を中心とした性的マイノリティに関する情報を発信する一般社団法人fair代表理事。ゲイであることをオープンにしながら、GQやHuffPost、現代ビジネス等で多様なジェンダー・セクシュアリティに関する記事を執筆。教育機関や企業、自治体等での研修・講演実績多数。著書に『あいつゲイだって - アウティングはなぜ問題なのか?』(柏書房)、共著『LGBTとハラスメント』(集英社新書)など
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