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千田有紀

千田有紀

認証済み

武蔵大学社会学部教授(社会学)

報告

提言特例法の4号手術要件が「違憲」とされたからには今後は無効となり、トランス男性等は性別適合手術を受けないで性別変更が可能となる公算が高い。身体の違和感は少ないが、戸籍の性別の変更を望む人にとっては福音となる一方で、女性風呂、トイレ、更衣室、刑務所、そして女子スポーツなどをめぐってのルールの確認が求められるだろう。 LGBT理解増進法が成立したあと、厚生労働省は公衆浴場や旅館の共同浴場では、これまでどおり身体的特徴で男女を取り扱うよう通知を出している。外観要件を含め、こうしたルールを改めて確認し、すべてのひとの不安にこたえて「女性スペース」について考える必要があるだろう。 日本ではすでに15分で即日に、性同一性障害の診断書が発行されるところがあるが、それは大法廷の前に当事者たちも主張していたように、「厳しく」ならざるを得ないだろう。今日は「性別の意味」が大きく変わった歴史的な日となった。

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コメンテータープロフィール

千田有紀

武蔵大学社会学部教授(社会学)

1968年生まれ。東京大学文学部社会学科卒業。東京外国語大学外国語学部准教授、コロンビア大学の客員研究員などを経て、 武蔵大学社会学部教授。専門は現代社会学。家族、ジェンダー、セクシュアリティ、格差、サブカルチャーなど対象は多岐にわたる。著作は『日本型近代家族―どこから来てどこへ行くのか』、『女性学/男性学』、共著に『ジェンダー論をつかむ』など多数。

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