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佐藤丙午

佐藤丙午

認証済み

拓殖大学国際学部教授/海外事情研究所所長

報告

補足日中の人質奪還作戦であるため、公開された映像等も多く、状況が非常に混乱したことがわかる。4人の人質を奪還するために、ガザ市民を数百人規模で犠牲が出たことは、大きな悲劇であった。 奪還した人質の中に、10月7日のハマスによる越境攻撃の際、連れ去られる映像に登場したノア・アルガマニさんが含まれていたことは、驚きであった。ハマスの残虐行為の象徴であった女性が、映像で見る限り健康な状態で救出されたことは、今回の悲劇の中で一つの救いであるように思える。 ただ、民間人の犠牲者がここまで出たということから、ハマスは人質を集中的に管理しているのではなく、民間施設のごく近接地に(場合によっては民間施設に)分散して拘束していることが推察される。このような、「人間の盾」のように人質を使い、奪還に際して民間人の犠牲者が出るように仕向けているのだとすれば、非難されるのがハマス側になっても不思議ではない。

コメンテータープロフィール

佐藤丙午

拓殖大学国際学部教授/海外事情研究所所長

岡山県出身。一橋大学大学院修了(博士・法学)。防衛庁防衛研究所主任研究官(アメリカ研究担当)より拓殖大学海外事情研究所教授。専門は、国際関係論、安全保障、アメリカ政治、日米関係、軍備管理軍縮、防衛産業、安全保障貿易管理等。経済産業省産業構造審議会貿易経済協力分科会安全保障貿易管理小委員会委員、外務省核不拡散・核軍縮に関する有識者懇談会委員、防衛省防衛装備・技術移転に係る諸課題に関する検討会委員、日本原子力研究開発機構核不拡散科学技術フォーラム委員等を経験する。特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の自律型致死兵器システム(LAWS)国連専門家会合パネルに日本代表団として参加。

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