見解「本当につらいことがあっても、親の前では弱音を吐けません」「どんどん変わっていく親を受け入れてあげないといけないのに……」。お気持ちはお察しします。けれども、がんばりすぎると、子のほうが倒れてしまいます。身体的な病だけでなく、介護によりうつ状態に陥る人も少なくありません。その先にあったのが、自殺だったのではないでしょうか。確かに、介護を終えたのち、「もっと、ああしてあげたらよかった」と後悔を残す人は多いですが、親は子が疲弊することなど望んではいないはずです。「後悔しないための介護」ではなく、やり過ぎず・やらな過ぎずで「そこそこ」できればOKと肩の力を抜きませんか。地域の介護者支援のネットワークでなら、弱音だって吐いて問題なし。きっと、生の心強い知恵をもらえるはずです。記事にあるように、介護と関係のない人から、客観的な新たな視点の意見をもらえるかもしれません。
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コメンテータープロフィール
京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。「遠距離介護」「高齢者住宅」「仕事と介護の両立」などの情報を発信。AFP(日本FP協会)の資格も持ち「介護とお金」にも詳しい。一方、1996年遠距離介護の情報交換場、NPO法人パオッコを立ち上げて子世代支援(~2023)。著書に『親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第3版』『高齢者施設 お金・選び方・入居の流れがわかる本 第2版』(以上翔泳社)『遠距離介護で自滅しない選択』(日本経済新聞出版)『知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門』(共著,KADOKAWA)など。