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岡本孝司

岡本孝司認証済み

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東京大学教授

報告

補足原子力発電所は、脱炭素で、かつ、大量の電力を「安定的に」供給できるシステムです。LNGなどの火力は、どうしても二酸化炭素が出ますし、太陽光や風力では、雨や無風時には使い物になりません。既設の原子力発電所を使えば、燃料代だけで、安価に安定した電力が供給できます。また、安全性の高い小型の原子炉は、建設期間も短く、かつ、安定で十分な電力を供給できます。このメリットに、情報産業が注目しています。アメリカでは、共和党・民主党のほぼ全員が賛成したADVANCE法が7月に成立し、SMRを含めた原子力開発に大きく舵を切っています。 日本でも、小型原子炉(SMR)と情報産業を組み合わせることで、産業を育成することもできますし、地域振興にもつながります。残念ながら、日本の原子力規制委員会の実力がなく、原子炉の新規建設に、審査が何年かかるかわかりません。つまり、日本は、世界に置いてけぼりを食らっています。

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    ITジャーナリスト

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コメンテータープロフィール

専門は原子力工学。東京大学大学院工学系研究科原子力専攻教授。東京大学にて、30年以上にわたり原子力安全、原子力熱流動などの研究教育に従事。月刊誌エネルギーレビューに、コラム「原子力何でもQ&A」を10年以上にわたり連載中。

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