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岡部卓

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新潟医療福祉大学教授・東京都立大学名誉教授

報告

補足本データから、支出に見合い収入が増えていない、また近年の物価高騰で家計が圧迫し、家計に占める飲食費の割合が高まっていることが読み取れる。飲食物費は、家計支出に第一位に優先されるものであるため、その割合が高まるとそれ以外の費目に支出できないことになる。収入が下がるにつれ家計は相当きびしい状況にあるといえる。そのため、この状況が続けば、家計の見直し、賃金の引上げ、物価対策等の必要性がより高まると考える。 なおここで、取り上げられているエンゲル係数は、ドイツの社会統計学者エルンスト・エンゲル(1821-1896)により考案された係数で、家計の消費支出に占める飲食物費の割合を指し、生活の程度を測る指標として使用されている。本係数は、消費動向を見る尺度として活用されるだけでなく、賃金や生活保護基準の算定を行うに当り、その計測が使用されたことがある。

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コメンテータープロフィール

岡部卓

新潟医療福祉大学教授・東京都立大学名誉教授

新潟医療福祉大学教授・東京都立大学名誉教授。貧困・低所得問題を中心として研究・社会的活動を行う。専門は社会保障論、社会福祉論。日本社会事業大学・社会事業学校教員、東京都立大学教授、明治大学教授を経て2024年4月より現職。著書として『生活困窮者自立支援-支援の考え方・制度解説・支援方法』(編 著、中央法規)、『貧困問題とソ ーシャルワーク』(共編、有斐閣)、『生活保護における社会福祉実践』(単著、全社協)等。社会的活動として社会保障審議会委員(厚労省)、神奈川県子ども・若者施策審議会委員、東京都社会福祉協議会理事等

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