解説昨年オフの契約更改でも球団からは複数年契約を打診され、それでも単年契約を結んだということからも、木下選手としてはFA権を行使したい気持ちは強かったように思います。選手にとっては他球団からの評価を直接聞く機会はFA権を行使するしかなく、その貴重なチャンスという考え方も最もではないでしょうか。 今年は故障もあって大きく成績を落としたこともあって、他球団が調査に動くかについては懐疑的な意見も多いですが、2021年からは2年連続で100試合以上に出場しており、当時のパフォーマンスを再び発揮できるという判断となれば、オファーを出す球団も出てくる可能性もあるのではないでしょうか。中日が複数年契約を提示しているところにもその評価の高さがうかがえます。 今年はFA権を行使する選手は少なく、貴重な経験のある捕手という点でも注目の1人と言えるだけに、今後の動向にも引き続き注目したいですね。
コメンテータープロフィール
1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。