Yahoo!ニュース

中田大悟

中田大悟認証済み

認証済み

独立行政法人経済産業研究所 上席研究員

報告

補足誤解が多いのですが「106万円」は、実際にパート労働者が得た賃金の総額のことではなく、雇用契約書等に記載されている基本給のことです。もし残業などで一時的に所得が106万円(月額8.8万円)を超えることがあっても、社会保険適用ということにはなりません。企業の「週20時間以上働いてほしい(社会保険適用で)」という要望と、労働者の「週20時間を超えて働きたい」という規模がマッチして、そのような雇用契約を交わさないと社会保険加入とはなりません。厚生労働省は、そういう労働市場でのキャリア形成を促進する「年収の壁・支援強化パッケージ」を実施して、最長3年、労働者の手取りが減らないような支援金給付を実施しています。3年目以降の賃上げを前提とする支援ですが、申請は事業者が行いますので、従業員確保を検討する事業者は、積極的に検討すると良いでしょう。

コメンテータープロフィール

中田大悟

独立行政法人経済産業研究所 上席研究員

1973年愛媛県生れ。横浜国立大学大学院国際社会科学研究科単位取得退学、博士(経済学)。専門は、公共経済学、財政学、社会保障の経済分析。主な著書・論文に「都道府県別医療費の長期推計」(2013、季刊社会保障研究)、「少子高齢化、ライフサイクルと公的年金財政」(2010、季刊社会保障研究、共著)、「長寿高齢化と年金財政--OLGモデルと年金数理モデルを用いた分析」(2010、『社会保障の計量モデル分析』所収、東京大学出版会、共著)など。

中田大悟の最近のコメント