見解社会の価値観が急速に変わっており、大都市では高額な結納金なし、家のローンも夫婦2人で払う、家は賃貸でいい、という合理的な人が増えています。その一方、内陸部や農村ではまだ伝統的に結納金、クルマや家を用意する必要があり、それが高額化し、さらに結婚のハードルを上げているという皮肉な現象となっています。「隣の家がいくらだったから、うちも……」という中国人のメンツの問題もあると思います。 高額な結納金目当てで結婚したものの、すぐに女性から離婚を切り出し、裁判沙汰になるケースもあり、一体何のために結婚するのか、という疑問もSNS上で散見されます。 長い間続いた一人っ子政策の影響で、男性余りとなっており、結婚できない男性が多いため、女性側から足元を見られるという面もあるかもしれません。しかし、冒頭に書いた通り、大都市では価値観が変わりつつあり、10年後はさらに変わっている可能性もあると思います。
コメンテータープロフィール
なかじま・けい ジャーナリスト。著書は最新刊から順に「中国人が日本を買う理由」「いま中国人は中国をこう見る」(日経プレミアシリーズ)、「中国人のお金の使い道」(PHP研究所)、「中国人は見ている。」、「日本の『中国人』社会」、「なぜ中国人は財布を持たないのか」「中国人の誤解 日本人の誤解」、「中国人エリートは日本人をこう見る」(以上、日経プレミア)、「なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?」、「中国人エリートは日本をめざす」(以上、中央公論新社)、「『爆買い』後、彼らはどこに向かうのか」、「中国人富裕層はなぜ『日本の老舗』が好きなのか」(以上、プレジデント社)など多数。主に中国などを取材。
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