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今日は6月6日 中国で「666」は「すごい!」の意味 欧米では不吉な日

中島恵ジャーナリスト
中国で「666」は「超いいね」などのいい意味(百度の画像より)

今日は令和6年6月6日。「6」が3つ並ぶ日です。日本では、とくに「6」という数字に「よい」意味はありませんが、中国では異なります。

中国で「6」は「8」(「発」(fa ファ)と同じ発音であることから転じて、発展、繁栄などの意味)や「9」(「久」(jiu ジウ)と同じ発音であることから転じて、永遠、長寿などの意味)の次に「いい数字」。「六六大順」(順調、うまくいく)などの言葉もあり、好んで使われます。

さらに、ここ数年、主に90后(90年代生まれ)、95后(95年~99年の生まれ)のZ世代の若者がネットで使ったことから、「666」が「超いいね!」「すごいね!」などの意味になり、若者だけでなく、幅広い世代の人々が、ネットの生中継などを見て「超いいね」と示したいときに「666」と押すようになりました。

「666」の発音は「liu リウリウリウ」。中国語で「溜溜溜」(リウリウリウ)(スムーズ、なめらか、順調)や「牛牛牛」(niu ニウニウニウ)(すごい)と近いからです。

数日前、中国のSNSには、6月7日、8日に全国で実施される高考(ガオカオ=大学入学統一試験)を前に、受験生が最も多い河南省の母親たちが、受験生に「666個」のちまきを作って応援したという記事が載っていました。

今朝、中国のSNSを見たときも「今日は6月6日、今は午前6時6分。666だね」などと書いている人がいました。日本でも、この日付を記念に残そうと、入場券などを購入する人がいます。

元号でも表記する日本では、令和6年ということも重なり、また、昨夜、新月を迎えたことから、今日は「とてもよい日」といえるかもしれません。

欧米では真逆の意味

しかし、欧米ではまったく別の意味になります。よく知られていますが、アメリカのホラー映画『オーメン』(1976年)は、6月6日、午前6時に生まれた悪魔の子、ダミアンが引き起こす恐怖のストーリーです。

日本では、とても有名な映画で、何度もシリーズで製作されている作品なので、「666」と聞けばすぐに「不吉な数字」「悪い数字」だと思い、「オーメン」を思い浮かべる人が多いでしょう。

ですから、中国で「666」はいい数字、と聞けば、知らない日本人はびっくりするかもしれませんね。

中国の価値観が欧米など西側とはまったく異なることは、政治や経済のニュースを見ていても日々感じることですが、こうした事柄からも、それを感じさせられます。

ジャーナリスト

なかじま・けい ジャーナリスト。著書は最新刊から順に「日本のなかの中国」「中国人が日本を買う理由」「いま中国人は中国をこう見る」(日経プレミア)、「中国人のお金の使い道」(PHP新書)、「中国人は見ている。」「日本の『中国人』社会」「なぜ中国人は財布を持たないのか」「中国人の誤解 日本人の誤解」「中国人エリートは日本人をこう見る」(以上、日経プレミア)、「なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?」「中国人エリートは日本をめざす」(以上、中央公論新社)、「『爆買い』後、彼らはどこに向かうのか」「中国人富裕層はなぜ『日本の老舗』が好きなのか」(以上、プレジデント社)など多数。主に中国を取材。

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