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村野将

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米ハドソン研究所研究員

報告

解説THAADは元々こうした需要(地域で緊急に防空が必要になった場合)のための、機動展開用防空システムであり、現在は韓国に1個、グアムに1個、中東(イスラエルを含む)に2個、米国本土(テキサス)に緊急展開用の予備が3個部隊分が配備されているという状況です。 このタイミングで米国がTHAADをイスラエルに増派するということは、今年4月と直近10月のイランによる攻撃によって、アローを中心とするイスラエルの弾道ミサイル対処能力が枯渇してきている可能性があります。他方、その米国の地域用防空能力も対ウクライナ援助等で逼迫してきている状況であり、決して余裕があるというわけではありません。例えば、米国にはすでにさまざまな国からペトリオットの注文が入っていますが、ウクライナ(と潜在的には台湾)での需要増を受けて、他国への納品を一時停止・後回しにしています。

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  • JSF

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    軍事/生き物ライター

    補足THAADは弾道ミサイル防衛システムで迎撃可能高度40~150km、射程200kmという性能です。基…続きを読む

  • 鶴岡路人

    慶應義塾大学総合政策学部准教授

    解説THAADの配備で米軍は100名程度が展開するようである。従来の武器供与に加えて、「人」を出すことに…続きを読む

コメンテータープロフィール

岡崎研究所や官公庁で戦略情報分析・政策立案業務に従事したのち、2019年より現職。マクマスター元国家安全保障担当大統領補佐官らと共に、日米防衛協力に関する政策研究プロジェクトを担当。専門は、日米の安全保障政策、核・ミサイル防衛政策、抑止論など。 【近著】 -ブラッド・ロバーツ(監訳・解説)「正しい核戦略とは何か」(勁草書房、2022年) -峯村健司他(共著)「ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界」(幻冬舎新書、2022年) -森本敏、高橋杉雄他(共著)「新たなミサイル軍拡競争と日本の防衛」(並木書房、 2020年9月)

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