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村野将

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米ハドソン研究所研究員

報告

見解バイデン大統領は、オバマ政権の副大統領時代から「核兵器の役割低減」に熱心であり、現政権にも軍縮派の人材を多く登用してきた経緯があります。そして、2022年の核態勢見直し(NPR)では、トランプ政権が導入を決めた海洋発射型核巡航ミサイル(SLCM-N)計画を中止するという決定もしていました。 ところが、核をめぐる安全保障環境はこの数年で急速に悪化し、現在は「核の役割拡大もやむなし」との認識が専門家コミュニティでのコンセンサスとなっています。これを受け、バイデン政権は来年1月の任期満了までに核態勢の再見直しを実施しており、その中でSLCM-N計画の再開や、2026年の新START失効を前に、予備の戦略核弾頭をミサイルや爆撃機に追加搭載する準備を始めています。これはバイデンにとって苦渋の決断だったでしょうが、歴史を振り返れば、現実に即した対応として評価されることになるでしょう。

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コメンテータープロフィール

岡崎研究所や官公庁で戦略情報分析・政策立案業務に従事したのち、2019年より現職。マクマスター元国家安全保障担当大統領補佐官らと共に、日米防衛協力に関する政策研究プロジェクトを担当。専門は、日米の安全保障政策、核・ミサイル防衛政策、抑止論など。 【近著】 -ブラッド・ロバーツ(監訳・解説)「正しい核戦略とは何か」(勁草書房、2022年) -峯村健司他(共著)「ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界」(幻冬舎新書、2022年) -森本敏、高橋杉雄他(共著)「新たなミサイル軍拡競争と日本の防衛」(並木書房、 2020年9月)

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