今回の竜巻(Tornado・トルネード)は、12月としては過去最大級。 アメリカの竜巻は春から初夏が多いが、この時期にこれだけ強い竜巻が同時に多数発生し、広範囲に強風を吹かせたのは珍しい。 この直接の原因は寒冷前線だが、もう一つの要因として、今年11月のアメリカ記録的高温がある。 この高温によってメキシコ湾の水温も1〜2度以上 も高くなっている。 このメキシコ湾から暖湿な空気が寒冷前線に流れ込んで、これが、大気の状態をより不安定にしたと考えられる。 アメリカには「竜巻ベルト」と呼ばれる、竜巻発生地帯があるが、今回の竜巻はこの周辺部で起きている。発生の仕組み自体は理解できるが、その規模と被害の広範囲差は、何か気候変動の兆候を感じる。
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コメンテータープロフィール
1950年名古屋市生まれ。日本気象協会に入り、東海本部、東京本部勤務を経て41歳で独立、フリーのお天気キャスターとなる。1992年、民間気象会社ウェザーマップを設立。テレビやラジオでの気象解説のほか講演活動、執筆などを行っている。天気と社会現象の関わりについて、見聞きしたこと、思うことを述べていきたい。2017年8月『天気のしくみ ―雲のでき方からオーロラの正体まで― 』(共立出版)という本を出版しました。
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