解説休眠打破の問題は重要だと考えています。サクラに限らず生物はなんらかの体内時計を持っており、それにしたがって生きています。かつて鹿児島や宮崎は日本で一番早くサクラが開花していましたが、近年は東京などよりも遅れて咲きます。サクラにとっては暖かければ早く咲くという単純なものではありません。 これはサクラに限らず他の植物、農作物にも言えることで、今後温暖化が進むと生態系全体の変容にもつながると思われます。 数学的に、こうした事例が解明されていくことに期待しています。
コメンテータープロフィール
1950年名古屋市生まれ。日本気象協会に入り、東海本部、東京本部勤務を経て41歳で独立、フリーのお天気キャスターとなる。1992年、民間気象会社ウェザーマップを設立。テレビやラジオでの気象解説のほか講演活動、執筆などを行っている。天気と社会現象の関わりについて、見聞きしたこと、思うことを述べていきたい。2017年8月『天気のしくみ ―雲のでき方からオーロラの正体まで― 』(共立出版)という本を出版しました。