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森井昌克

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神戸大学 名誉教授

報告

解説記事にあるように250万件の顧客情報漏えいが今になって発覚したわけではありません。以前から保険業者からの銀行等への出向者が自保険業者に出向先の情報を漏洩し、自社の業務に利用したり、特に「乗合代理店」と呼ばれる複数の保険会社の委託を受けた代理店が10年ほど前に急拡大した際に、当時から保険会社相互の情報漏えいが危惧され、実際に漏洩した事件が多発していました。大きな問題として扱われなかったことは保険会社間での共有という半ば暗黙の「慣習」として扱われ、その情報が保険業務以外に使われなかったと信じられていたからでしょう。しかし、個人情報の取り扱いが厳しくなった現在、その慣習は不正な事案であることは明白です。何よりも個人情報主に無断で情報を他社と共有することは違法行為です。「安心」を提供することが第一の目的とする保険業界にとって根本的な認識を改める必要があります。

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コメンテータープロフィール

1989年大阪大学大学院工学研究科博士後期課程通信工学専攻修了、工学博士。同年、京都工繊大助手、愛媛大助教授を経て、1995年徳島大工学部教授、2005年神戸大学大学院工学研究科教授(~2024年)。近畿大学情報学研究所サイバーセキュリティ部門部門長、客員教授。情報セキュリティ大学院大学客員教授。情報通信工学、特にサイバーセキュリティ、情報理論、暗号理論等の研究、教育に従事。内閣府等各種政府系委員会の座長、委員を歴任。2018年情報化促進貢献個人表彰経済産業大臣賞受賞。 2019年総務省情報通信功績賞受賞。2020年情報セキュリティ文化賞受賞。2024年総務大臣表彰。電子情報通信学会フェロー。

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