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森井昌克

森井昌克認証済み

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神戸大学 名誉教授

報告

見解ランサムウェアをはじめ、不正アクセスによる個人情報の漏えいは少なくありません。昨年度、件数で1万件以上、漏えいした人数でも、のべ4,000万人を超えています。その中には住所、氏名、電話番号だけでなく、極めて機微な情報であるセキュリティコードを含むクレジットカード情報の漏えいも報告されています。今回の下鴨茶寮の情報漏えいは1万6千件という大量のクレジットカード情報であるということと、そのクレジットカードの所有者の特性です。下鴨茶寮は創業安政3年の京都の老舗料亭であり、そのオンラインショップにて贈答に利用するということは、ある程度のステイタスを有する客層であり、クレジットカードの利用額や制限範囲の大きさ、そして付帯するサービスも多様であり、不正に利用する範囲も大きく出来る可能性があります。不正を行う側にとってメリットが大きいということです。今回の情報漏えいは極めて深刻と考えてよいでしょう。

コメンテータープロフィール

1989年大阪大学大学院工学研究科博士後期課程通信工学専攻修了、工学博士。同年、京都工繊大助手、愛媛大助教授を経て、1995年徳島大工学部教授、2005年神戸大学大学院工学研究科教授(~2024年)。近畿大学情報学研究所サイバーセキュリティ部門部門長、客員教授。情報セキュリティ大学院大学客員教授。情報通信工学、特にサイバーセキュリティ、情報理論、暗号理論等の研究、教育に従事。内閣府等各種政府系委員会の座長、委員を歴任。2018年情報化促進貢献個人表彰経済産業大臣賞受賞。 2019年総務省情報通信功績賞受賞。2020年情報セキュリティ文化賞受賞。2024年総務大臣表彰。電子情報通信学会フェロー。

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