補足視点を変えてSNSでの問題点を取り上げましょう。今回のSNSでの投稿内容に関しては事実を書いただけであり問題はなく、そのSNS内での議論も関係者、機関への誹謗中傷に当たるわけでもなく、やはり問題はありません。しかし最近の学生さんは些細なことに関してもSNSに投稿する傾向があり、必ずしも事実だけを記するわけではなく、感想を超えて、いわゆる「尾ひれ背びれ」をつけ誇大に記述することがあります。それだけにとどまらず投稿した本人の意思を超えて炎上することがあります。それをwebメディアが取り上げ、取材対象となり、今回のような記事になる場合もあります。事実に反した内容で、あるいは必要以上に当該学校や対象の人物に「被害」をもたらすこともあり得るのです。webメディアも当然、その真偽や背景を十分な取材に基づいて行う必要があり、場合によってはその影響も考慮すべきでしょう。
コメンテータープロフィール
1989年大阪大学大学院工学研究科博士後期課程通信工学専攻修了、工学博士。同年、京都工繊大助手、愛媛大助教授を経て、1995年徳島大工学部教授、2005年神戸大学大学院工学研究科教授(~2024年)。近畿大学情報学研究所サイバーセキュリティ部門部門長、客員教授。情報セキュリティ大学院大学客員教授。情報通信工学、特にサイバーセキュリティ、情報理論、暗号理論等の研究、教育に従事。内閣府等各種政府系委員会の座長、委員を歴任。2018年情報化促進貢献個人表彰経済産業大臣賞受賞。 2019年総務省情報通信功績賞受賞。2020年情報セキュリティ文化賞受賞。2024年総務大臣表彰。電子情報通信学会フェロー。
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