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三牧聖子

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同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

報告

解説「テロ指導者」「テロリスト」を殺害できれば、どんな攻撃も、その過程でどれだけの市民が巻き込まれて殺されても「正義」とみなすーアメリカが9.11テロ事件を受けて、開始した「テロとの戦い」で何度も繰り返してきた論理でもある。米ブラウン大学によれば、20年超のアメリカによる「テロとの戦い」でさまざまな形で「テロとの戦い」犠牲となった市民は40万超に及ぶ。しかしこの戦争によって世界がどれだけ平和になったのか、むしろ不安定になったのかは誰も検証・証明できない。多いときで80カ国以上でアメリカは対テロ作戦やドローン作戦を展開したが、そのことで市民の犠牲を生み出し続けることは、アメリカの安全を確かにするどころか、世界中に反米の種を蒔いたとの評価もある。そのアメリカの全面支援のもと、今度はイスラエルが同じことをしようとしているようにみる国が多いだろう。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 髙岡豊

    中東の専門家(こぶた総合研究所代表)

    解説中東の紛争についてのアメリカの「ホンネ」を如実に示す反応です。これまで「アメリカはイスラエルが気が済…続きを読む

  • 鈴木一人

    東京大学教授/地経学研究所長

    解説これが正当だったら、脅威だと感じている相手をいくら殺しても正当と言うことになってしまう。人類が積み上…続きを読む

コメンテータープロフィール

三牧聖子

同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

アメリカ政治・外交、国際関係論、平和研究。東京大学教養学部卒、同大大学院総合文化研究科で博士号取得(学術)。日本学術振興会特別研究員、早稲田大学助手、米国ハーバード大学、ジョンズホプキンズ大学研究員、関西外国語大学助教、高崎経済大学経済学部国際学科准教授を経て2022年より現職。著書に『戦争違法化運動の時代-「危機の20年」のアメリカ国際関係思想』(名古屋大学出版会、2014年)共訳・解説に『リベラリズムー失われた歴史と現在』(ヘレナ・ローゼンブラット著、青土社)。

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