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松崎健夫

松崎健夫

認証済み

映画評論家

報告

見解建物の老朽化に伴う本社の移転という点で、丸の内TOEIの営業終了発表は仕方のないことのように思えます。ただし、再開発される際に同地へ新たな映画館が併設する訳ではないというのが気になる点です。丸の内TOEIは東映の直営館であり、全国公開される東映作品のメイン館になることもあったため、シネコンでの上映が終了してからも暫くは作品を続映している劇場になっていました。今回の決定により、興行事業はT・ジョイで行われることになるものの、東映の直営館は消滅することになるという現実があります。つまり、東映の作品は(東映のグループ会社とはいえ)シネコンでしか上映されなくなることになり、興行的に当たらなかった作品は早々に姿を消してしまうという危惧があるのです。丸の内TOEIでは観客動員が乏しくとも自社作品を上映したため、空席が目立つ上映回もあったということになるので、改めて興行の難しさを感じずにはいられません。

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コメンテータープロフィール

東京芸藝術大学大学院映像研究科映画専攻修了。テレビ、映画の現場を経て執筆業に転向。『WOWOWぷらすと』『米粒写経 談話室』『シン・ラジオ〜ヒューマニスタは、かく語りき〜』など、テレビ・ラジオ・配信番組に出演。YouTube『そえまつ映画館』を毎週金曜日に更新、Loftにて『映画解説講座』を定期開催中。『キネマ旬報』『DVD&動画配信でーた』劇場パンフレット等に多数寄稿、共著に『現代映画用語事典』(キネマ旬報社)などがある。ゴールデン・グローブ賞の国際投票権を持ち、キネマ旬報ベスト・テン選考委員、田辺・弁慶映画祭審査員、デジタルハリウッド大学客員准教授などを務めている。日本映画ペンクラブ会員。

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