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医療の「翻訳家」

報告

見解この先生の投稿は、確かに倫理にもとるものです。いのちや死というものに対する最低限の敬意を失っていると感じざるをえません。 その背景には、「肌」や「目」や「鼻」の見栄え、というとても限定されたところにだけ日々向きあうことによって、医師はそもそも、その集合体である「人間」への責任をとる職業だ、ということが薄くなってしまわれたのかもしれません。 江戸時代における西洋医学の普及において大きな貢献をした緒方洪庵は、その弟子たちに「扶氏医戒之略」を遺しています。今の時代においても大切な心得が書かれていますので、ここではその3条目だけを引用します ーー 3.治療を行うにあたっては、患者が対象であり、決して道具であってはならないし、自己流にこだわることなく、また、患者を実験台にすることなく、常に謙虚に観察し、かつ細心の注意をもって治療をおこなわねばならない。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 佐々木成三

    元刑事部捜査第一課・警部補/一般社団法人スクールポリス理事

    解説刑事時代、「ご遺体に尊厳を持つ」という教えが徹底されていました。刑事として、検視の際にご遺体を丁寧に…続きを読む

コメンテータープロフィール

(いちかわ・まもる)医療の「翻訳家」/READYFOR(株)基金開発・公共政策責任者/(社)メディカルジャーナリズム勉強会代表/広島大学医学部客員准教授。00年東京大学医学部卒業後、NHK入局。医療・福祉・健康分野をメインに世界各地で取材を行う。16年スタンフォード大学客員研究員。19年Yahoo!ニュース個人オーサーアワード特別賞。21年よりREADYFOR(株)で新型コロナ対策・社会貢献活動の支援などに関わる。主な作品としてNHKスペシャル「睡眠負債が危ない」「医療ビッグデータ」(テレビ番組)、「教養としての健康情報」(書籍)など。

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