解説規制緩和は自由化であるというのが、常識です。すでに小泉氏の政策論は破綻し始めています。そのときどきの印象しか考えていないのではないかと疑われても仕方ありません。政策は論理の積み重ねであり、イメージではないのです。環境大臣時代の進次郎構文は、その点を理解していないのではないかと思われていました。そこから成長したというのであれば、やはり正面から政策論を緻密に議論すべきでしょう。小泉氏は最も若く、大臣経験も少ない以上、政策をどこまで理解しているのか、そのために必要な手当ては何なのかについて、厳しく問われるのは仕方がありません。もっとも他の候補も個別の政策をつまみ食いしたような公約しかないのではないかという人もいるようです。重厚な政策論争を通じて、誰がよりふさわしいのかはしっかり問われるべきでしょう。
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コメンテータープロフィール
1967年生まれ。1990年、東京大学法学部卒業。東北大学法学部助教授、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス客員研究員、東北大学大学院法学研究科教授などを経て2013年より現職です。 官僚制の歴史研究と政治家・官僚へのオーラル・ヒストリーを用いて、日本政治を研究しながら、現在の政治・行政をウォッチしています。著書に『 内閣政治と「大蔵省支配」』(中央公論新社)、『行政改革と調整のシステム』(東京大学出版会)、『権力移行』(NHK出版)、『「安倍一強」の謎』(朝日新聞出版)、『崩れる政治を立て直す』(講談社)など。
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