見解半世紀にわたる逃亡生活の状況や組織的な援助体制、支援者の存在、現在の思想信条などのほか、事件に対する反省や被害者に対する謝罪の有無、失敗に終わった反日武装革命とその後の日本の繁栄、裁判闘争の末に獄死した同志のこと、大使館占拠事件やハイジャック事件を起こした日本赤軍の要求で超法規的措置により釈放され、国外に逃げた同志への思いなど、警察としても聞き出したい話がたくさんあったはず。 真っ先に知りたかったのは、なぜいまになって本人だと名乗り出たのかという点。男の話だと「最期は本名で迎えたかった」とのことですが、死を前にして悔悟し、人生を清算しようという心境に至ったのか、それとも警察やこの社会に対して最後まで逃げ切れたと勝ち誇りたかったのか、その真意すらも不明なままで終わってしまいました。
コメンテータープロフィール
1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。