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熊田安伸

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SlowNewsプロデューサー/報道実務家フォーラム理事

報告

解説過去の政治資金収支報告書をみても、自民党は通常の交付とは別に、衆議院の解散直後に議員が代表の党支部に今回明らかになった本来の活動費と同額の1500万円を交付しており、関係者も「選挙のための支援」と認めてきました。百歩譲って今回は党支部の活動に限るとしても、公認料と同額の500万円分の上乗せに説明が必要です。 それにしても凄いのは赤旗の取材です。もし今回の報道がなければ、自民党が非公認議員に交付金を出したことを知るには、来年11月の政治資金収支報告書の公開まで待たなければならず、そのころには問題が今ほど注目されなくなっていたかもしれません。 赤旗はこの記事の前にも「非公認が党支部の代表のままなのはおかしい」という記事を出しており、今回のスクープはその問題意識/視点からの延長だということです。オープンデータも重要な政治とカネの取材ですが、これはヒューミントな情報収集を重ねてきた成果です。

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コメンテータープロフィール

熊田安伸

SlowNewsプロデューサー/報道実務家フォーラム理事

1990年NHK入局。沖縄局、報道局社会部で「公金」テーマに調査報道。2006年、スクープをめぐる民事訴訟で記者の取材源秘匿を認める最高裁の初判断を勝ち取る。新潟局、仙台局では震災報道を指揮し、Nスぺ『追跡 復興予算19兆円』でギャラクシー大賞。17年、NHKの公共メディア化に尽力、「政治マガジン」「NHK取材ノート」など開発・運営。21年にSlowNewsに移籍し、調査報道記事をプロデュース。著書に『記者のためのオープンデータ活用ハンドブック』があり、これまでに20の報道機関でオープンデータ活用の講師を務めた。現在、SlowNewsで『災害前線報道ハンドブック』を連載中。

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