補足脳治療システム「ZAP-X」という言葉が出てきますが、これは近年本邦でも導入された放射線治療の装置です。 脳は頭蓋骨という硬い容器の中にほぼ固定されていますが、この頭蓋骨=頭部を何らかの方法で固定すれば、脳の中の病変の位置(場所)も固定されることになります。そうすると、身体を多少動かしても、目的の病変はほとんど動かない状態にすることができます。その上で、放射線を病変に照射するわけです。 放射線治療の欠点として、正常な組織も被曝することになり、それが正常な細胞の機能低下・壊死に繋がる可能性があります。そこで、ZAP-X(やガンマナイフ・サイバーナイフなど)は、多くの方向から放射線を当てることで、病変に必要なエネルギーを当てつつ、正常な組織には極力放射線が当たらないようにしています。
コメンテータープロフィール
脳神経外科医。脳動脈瘤・良性腫瘍・バイパス手術・微小血管減圧術(顔面痙攣・三叉神経痛)など、微細操作が必用な手術が得意。日本赤十字社医療センター(渋谷)。
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