解説水谷竹秀『日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」 』が(集英社文庫)出版されたのは10年以上前のことですが、その後もフィリピンには困窮邦人が多く滞在しているようです。フィリピンの方々も日本大使館に連絡しようと思ってくれる場合もあるのですが、本人に帰国意思がない場合が多く、仮に日本大使館に連絡を取っても徒労となってしまいます。それでも、見ず知らずの日本人のためにタクシー代を負担して相談に連れて行き、帰国までさらに面倒を見たという話もききます。見えないところでフィリピンの、親族関係にもない人たちにお世話になっている例は多くあるのだろうと想像します。
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コメンテータープロフィール
神戸大学大学院国際協力研究科修了(政治学博士)。フィリピン大学研究員、在フィリピン日本国大使館専門調査員、在タイ日本国大使館専門調査員、衆議院議員秘書などを経て現職。専門は東南アジア政治、国際協力論。防衛大学校グローバルセキュリティセンター共同研究員。技能公募予備自衛官(英語)。近著に、Pathways for Irregular Forces in Southeast Asia: Mitigating Violence with Non-State Armed Groups (Routledge, 2022年)、『アジアの安全保障2021-2022』(朝雲新聞社2021年、共著)など。
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