補足食料支援の国際NGOの車両を爆撃し、7人のスタッフが死んだことで米欧からの批判を受けて、イスラエルがやっとガザ北部のエルズ検問所からの食料搬入を認めた。ガザ北部には30万人の住民が残っていて、3月15日までの現状で、国際的な飢餓状態レベルは、55%が「破局的」、25%が「緊急的」という評価である。イスラエル軍は1月初めにガザ北部ではハマスの軍事部門を制圧したと宣言し、地域を軍事的に支配しているのだから、民間人に対する食料供給などは、当然、イスラエル政府・軍の責任であり、義務である。それにも関わらず、イスラエルは検問所を封鎖したまま、国連や国際NGOの食料搬入を妨害したり、攻撃したりしてきた。米欧日本に、これは重大な戦争犯罪だという認識がないことが問題。これだけ人道危機を破滅的状況にして、米国は口だけで民間人保護を求め、国連安保理も機能していない。
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コメンテータープロフィール
元朝日新聞記者。カイロ、エルサレム、バグダッドなどに駐在し、パレスチナ紛争、イラク戦争、「アラブの春」などを現地取材。中東報道で2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。2015年からフリーランス。フリーになってベイルートのパレスチナ難民キャンプに通って取材したパレスチナ人のヒューマンストーリーを「シャティーラの記憶 パレスチナ難民キャンプの70年」(岩波書店)として刊行。他に「中東の現場を歩く」(合同出版)、「『イスラム国』はテロの元凶ではない」(集英社新書)、「戦争・革命・テロの連鎖 中東危機を読む」(彩流社)など。◇連絡先:kawakami.yasunori2016@gmail.com
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