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川上泰徳

川上泰徳

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中東ジャーナリスト

報告

見解米国がICCによるネタニヤフ首相への逮捕状請求を「言語道断」と言うのは、ICCの国際法に基づく判断を、政治的に捻じ曲げていると考えざるを得ない。CNNによると、バイデン氏は「イスラエルが民間人の保護にできる限りのことをしたいのは明らかだ」「今起きていることはジェノサイド(集団殺害)ではない」と発言したと報じているが、それを法的に判断するのがICCや国際司法裁判所(ICJ)の役割である。国連安保理でイスラエルを政治的に擁護し、停戦を求める決議案に繰り返し拒否権を連発してきて、すべては大国の政治的意思で動くと考えているのではないか。米国家安全保障会議のカービー報道官が、ロシアのプーチン大統領は「無実の民間人を殺害する目的で民間施設を意図的に標的にしている」が、「イスラエル軍は違う」と言ったと報道されているが、ICCは国際法に照らしてネタニヤフ首相も同じことをしていると判断したということである。

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コメンテータープロフィール

元朝日新聞記者。カイロ、エルサレム、バグダッドなどに駐在し、パレスチナ紛争、イラク戦争、「アラブの春」などを現地取材。中東報道で2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。2015年からフリーランス。フリーになってベイルートのパレスチナ難民キャンプに通って取材したパレスチナ人のヒューマンストーリーを「シャティーラの記憶 パレスチナ難民キャンプの70年」(岩波書店)として刊行。他に「中東の現場を歩く」(合同出版)、「『イスラム国』はテロの元凶ではない」(集英社新書)、「戦争・革命・テロの連鎖 中東危機を読む」(彩流社)など。◇連絡先:kawakami.yasunori2016@gmail.com

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