ワクチンの接種が始まっても、それが十分浸透するまでにはかなりの時間がかかる。また経済がコロナショック前の水準に戻るにはワクチンが浸透してからさらに半年ぐらいはかかる。今後もしばらくはウィズコロナの局面が続くことが見込まれる中、感染が少し落ち着けばすぐに外出を奨励し、感染が拡大すると今度は外出の自粛を呼びかけるというように、猫の目のように変わる両極端の政策を続けても大きな効果を期待することは難しいだろう。感染が収束すれば、政策当局から促されなくても自然に旅行や外食の需要は回復するのだから、アフターコロナの局面に入ったことが確認されるまではGo Toキャンペーンのように政府が国民に外出を働きかける政策はいっさい行わず、その間、外出の減少で影響を受ける産業には直接所得補償をしたほうが、感染拡大の防止と早期の経済回復につながるのではないか。
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コメンテータープロフィール
1971年神奈川県生まれ。95年慶応義塾大学経済学部卒業、同年銀行系シンクタンク入社。99年日本経済研究センター出向、00年シンガポールの東南アジア研究所出向。02年から05年まで生保系シンクタンク経済調査部主任エコノミストを経て、現在はBRICs経済研究所代表。同研究所の活動とあわせて、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」など各種メディアにも出演中。また、雑誌・WEBでの連載や各種の講演も多数行なっている。『図説BRICs経済』(日本経済新聞社)、『増税なしで財政再建するたった一つの方法』(角川書店)、『オトナの経済学』(PHP研究所)、『日本の「地下経済」最新白書』(SB新書)など著作多数。
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