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伊藤和子

伊藤和子

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弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ副理事長

報告

見解ハマス側は、人質解放の代わりに、イスラエルのガザ地区からの撤退と戦闘の終結を求めていますが、この要求自体は基本的に国際法に合致するものです。 そもそも10月からのイスラエルの軍事行動は集団懲罰として国際法に違反するもので、国連の主要な機関は即時停戦と軍事行動の停止を求めてきました。 ハマス側は人質解放をし、民間人殺害の責任を負うべきですが、イスラエルも国際法にのっとり、直ちに占領と軍事行動を終結すべきです。 イスラエルの主張は軍事行動に基づく現状を出発点とするものですが、武力の行使に基づく領土併合や占領の既成事実化はいかなる場合も違法です(1970年の国連総会決議2625「友好関係原則宣言」参照)。 メディアは「非難の応酬」のように傍観者を決め込むのでなく、国際法の視点から論陣を張るべきです。国際法の視点を欠く報道は、いかなる紛争でも武力によって既成事実を創る勢力への加担者となるでしょう。

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  • 鈴木一人

    東京大学教授/地経学研究所長

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  • 川上泰徳

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コメンテータープロフィール

伊藤和子

弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ副理事長

1994年に弁護士登録。女性、子どもの権利、えん罪事件など、人権問題に関わって活動。米国留学後の2006年、国境を越えて世界の人権問題に取り組む日本発の国際人権NGO・ヒューマンライツ・ナウを立ち上げ、事務局長として国内外で現在進行形の人権侵害の解決を求めて活動中。同時に、弁護士として、女性をはじめ、権利の実現を求める市民の法的問題の解決のために日々活動している。ミモザの森法律事務所(東京)代表。

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