見解日産がどこまでリストラできるかをホンダが見極めるため、おそらく2月ごろに中間合意という形で、詳細を発表するのではないか。今回の統合交渉に向けて締結する覚書の中には、両社が交渉期間中に他社と交渉したら1000億円の違約金を課す条項が入っているとされる。両社ともにホンハイとは接触しないという意味だろう。もしホンハイが今後、ベアハグ的に日産に正式に交渉を迫ってきた際にどうするのか?ベアハグとは、これから買収行為に出るという通告のことだが、日産取締役会は善管注意義務及び忠実義務上、その提案を合理的理由なく拒否できないはずだ。その場合、違約条項がどこまで法的に有効なのかも気になる。さらに言えば、ホンハイが買収計画を公式に発表した場合、パブリックベアハグとなり、多くの日産株主は高く株を買ってくれるところに売るべきとの声も出るだろう。ホンハイの出方次第ではこの交渉の行方に大きな影響を与える可能性がある
コメンテータープロフィール
1964年生まれ。88年九州大卒。朝日新聞社の名古屋、東京、大阪の経済部で主に自動車と電機を担当。2004年朝日新聞社を退社。05年大阪市立大学修士課程(ベンチャー論)修了。主な著書は『トヨタ・ショック』(講談社、共編著)、『メイドインジャパン驕りの代償』(NHK出版)、『会社に頼らないで一生働き続ける技術』(プレジデント社)、『自動車会社が消える日』(文春新書)『日産vs.ゴーン 支配と暗闘の20年』(同)。最新刊に経済安全保障について世界の具体的事例や内閣国家安全保障局経済班を新設した日本政府の対応などを示した『中国の「見えない侵略」!サイバースパイが日本を破壊する』(ビジネス社)
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