見解最近の学校では、個人の完食指導はほぼ聞かなくなっていますが、過去に受けた心の傷はこのように深く残ってしまう。 食事は、多くの人にとって「楽しみ」でしょう。ただ、なかには人と一緒にご飯を食べることが苦痛である『会食恐怖症』という、社交不安症の一種に苦しむ人がいます。 過去に、好き嫌いや食べるスピードが遅くて、完食できないと罰則を受けたり、無理やり口に押し込まれた経験がトラウマに。大人になっても友達とでも『ペースが遅いかな…』『残さず食べれるかな…』と不安で、人との食事を避けたり断り、孤独を感じやすい。 令和の給食は『人それぞれの完食』の尊重。全て食べるという食事指導ではなく、『これ苦手だから、代わりに食べてくれない?』と他人に頼むスキルや、『これ苦手だから、少な目にして下さい』と分量の交渉スキルを身につける側面で、人間関係の調整スキルを身につける目的にするのもいいのではないでしょうか。
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コメンテータープロフィール
兵庫県出身。島根大学を卒業後、大阪を中心に精神科医・産業医として活動している。産業医としては毎月30社以上を訪問し、一般的な労働の安全衛生の指導に加えて、社内の人間関係のトラブルやハラスメントなどで苦しむ従業員にカウンセリング要素を取り入れた対話を重視した精神的なケアを行う。精神科医としてはうつ病、発達障害、適応障害などの疾患の治療だけではなく、自殺に至る心理、災害や家庭、犯罪などのトラウマケアにも力をいれている。さらに、ブログやツイッター、講演会などでこれらを分かりやすく「ラフな人生をめざすこと」を発信している。
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