補足大滝さんの戸籍上の性別変更が認められた時の笑顔が、とても素敵だなと思いました。それまで私たちが想像できない苦悩や葛藤を抱えていたでしょうから、それが少しでも軽くなることを願っています。 ただ、明るい報道に水をさすようで申し訳ないですが、タイトルや記事中の表現の件で補足させて下さい。現在は『性同一性障害』という言葉はほぼ使われません。 2018年に世界保健機関(WHO)が公表した国際疾病分類で、性同一性障害を【性別不合】と改めています。ホルモン投与など医療的な関りが必要なこともあるため、”疾病”の枠組みは残しつつも”精神障害”の位置づけからは外されています。日本でも2024年3月に「GID(性同一性障害)学会」から「日本GI(性別不合)学会」に名称変更を表明しています。 大滝さんが診断された時は、まだ使われていた言葉かも知れませんが、それなら注釈くらいあっていいのではないでしょうか。
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コメンテータープロフィール
兵庫県出身。島根大学を卒業後、大阪を中心に精神科医・産業医として活動している。産業医としては毎月30社以上を訪問し、一般的な労働の安全衛生の指導に加えて、社内の人間関係のトラブルやハラスメントなどで苦しむ従業員にカウンセリング要素を取り入れた対話を重視した精神的なケアを行う。精神科医としてはうつ病、発達障害、適応障害などの疾患の治療だけではなく、自殺に至る心理、災害や家庭、犯罪などのトラウマケアにも力をいれている。さらに、ブログやツイッター、講演会などでこれらを分かりやすく「ラフな人生をめざすこと」を発信している。