Yahoo!ニュース

井上智介

井上智介認証済み

認証済み

精神科医/産業医

報告

事件などの予期せぬ死別の直後、残された遺族には激しい【悲嘆反応】が起こります。 悲しみ、怒り、自責の念、罪悪感、喪失感などのさまざまな感情が、一気に押し寄せて、気持ちの整理ができずに混乱、動揺します。時には、その感情を正面から向き合うことができずに、防衛反応として茫然と感情が麻痺したように、ただ立ちつくすしか出来ないこともあります。 特に犯人がいるような事件では、今までに感じたことないほどの【強い怒り】を持ちますが、それを自分自身に向いてしまい、激しい自責の念に苦しんでしまう人もいます。そのような時、自己破壊的な行動に繋がることもあるので、周りの人は決して目を離してはいけません。 ただ、遺族は誰にも何も話たくない時期でもあるので、遺族に何かを語ってもらおうなんてしなくて構いません。ただ、傍にいるだけで『話たくなったらいつでも言ってね』くらいの距離感で見守っていてください。

こちらの記事は掲載が終了しています

参考になった18446

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

コメンテータープロフィール

兵庫県出身。島根大学を卒業後、大阪を中心に精神科医・産業医として活動している。産業医としては毎月30社以上を訪問し、一般的な労働の安全衛生の指導に加えて、社内の人間関係のトラブルやハラスメントなどで苦しむ従業員にカウンセリング要素を取り入れた対話を重視した精神的なケアを行う。精神科医としてはうつ病、発達障害、適応障害などの疾患の治療だけではなく、自殺に至る心理、災害や家庭、犯罪などのトラウマケアにも力をいれている。さらに、ブログやツイッター、講演会などでこれらを分かりやすく「ラフな人生をめざすこと」を発信している。

井上智介の最近のコメント